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- 頭痛 (2013/3/29)
頭痛
頭痛にはガマンできないほど激しい痛みが急に襲ってくる急性頭痛、 数日から数週間かけてジワジワと痛みがひどくなっていく亜急性頭痛、 そして慢性的や繰り返し痛みが起こる慢性頭痛があります。 急性頭痛や亜急性頭痛の場合、 くも膜下出血や脳腫瘍など重大な病気で起こっていることが多いので、 早急に病院で診てもらう必要があります。
一方、慢性頭痛は日本人の3人に1人が持っているといわれるほどポピュラーなもので、 「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」の3つに分類されています。治療法も若干、異なります。慢性的な頭痛では、鎮痛薬を飲んでその場をしのぐことが多いようですが、常用することに対して心配する人も少なくありません。そのような場合、頭痛の特徴やその人の体質に合った漢方薬を利用することによって、鎮痛薬の量を減らせたり、鎮痛薬を飲まないでもすむようになったりします。
漢方って頭痛の役に立つの?
西洋医学では慢性頭痛を3つのタイプに分けていますが、漢方医学の視点からも、やはり頭痛をタイプに分けることができます。
1.片頭痛
片頭痛は、漢方の考え方で言う「気(生命エネルギー)」が正しく巡らず、逆行している「気逆」という状態であると考えられています。そのために気の巡りを元に戻す呉茱萸湯(ごしゅゆとう)などの漢方薬を用いて、症状を緩和していきます。
漢方薬が処方される際は、頭痛だけでなく、冷えや胃腸虚弱、肩や首のこりなど他の症状も考慮されるため、頭痛以外の不調も改善することができます。片頭痛に用いられる漢方薬の一例
呉茱萸湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)・桂枝人参湯(けいしにんじんとう)・五苓散(ごれいさん)・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)など
2.緊張性頭痛
緊張性頭痛に関しては、葛根湯(かっこんとう)が有効であることが知られています。緊張性頭痛に用いられる漢方薬の一例
葛根湯など
群発頭痛に対しては、今のところ漢方薬を用いることは少ないようです。頭痛は「気候」と「内因」で考える
“風邪は万病のもと”の“風邪”も、実は風邪=ふうじゃのこと。
漢方では頭痛の原因を大きく分けて、次の2つであるといわれています。
・季節や環境など外部の変化によるもの
⇒外感(がいかん)頭痛
・ストレス、体質、内臓の不調によるもの
⇒内傷(ないしょう)頭痛
気候の変化や環境がもたらす「外感頭痛」のポイントとして気をつけたいのが、「風邪」。よく「風邪をひく」という言葉がありますが、この言葉の由来は風の邪気、つまり風邪=「ふうじゃ」から来ているのです。風邪はとくに春に起こりやすいものとされていれ、ほかの悪いエネルギーをつれて頭痛などの痛みを起こしたり、発熱・悪寒、目の充血などのトラブルを発症させたりします。
なお、精神的なものや過労、慢性的な病気から起こるのが「内傷頭痛」です。現代医学でも女性ホルモンのエストロゲンの減少が頭痛につながるなどの話を聞きますが、漢方ではこれをホルモンをつかさどる腎(腎臓)や、血液の貯蔵や調節をになう肝(肝臓)が関連している、内傷頭痛のなかのひとつだと考えることができそうです。