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自律神経失調症 (2013/3/29)

自律神経失調症

私たちの体はストレスや気温の変化、騒音といったさまざまな刺激に対し、体の状態を一定に保とうとします。こうした体の調整を行っているのが自律神経で、交感神経と副交感神経がシーソーのようにバランスを取りながら、機能しています。 この自律神経の機能は、ホルモン、環境、ストレスなどをきっかけに損なわれることがあり、動悸や倦怠感、めまい、イライラ、頭痛などの症状が現れる場合があります。こうした自律神経の機能低下で起こるさまざまな症状を、自律神経失調症と呼んでいます。


漢方で対処しよう!

多様な症状が現れる自律神経失調症の治療は、漢方の得意分野のひとつです。漢方医学の考え方には「気・血・水(き・けつ・すい)」というものがあります。自律神経失調症はこの気や血などに問題が生じて、気虚(気が全体的に不足している状態)、気うつ(気の流れが障害された状態)、お血(血行不良)、血虚(血液が全体的に不足している状態)になったときに起きると考えられています。そのため、その人の体質(「証」)や随伴症状などを考慮しながら、気や血の状態を整える「気剤」や「駆お血剤」などの漢方薬を使って、症状をとりのぞいていきます。自律神経失調症で使われる代表的な漢方薬は以下のとおりです。

自律神経失調症に用いられる漢方薬の例
実証〜柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)・大承気湯(だいじょうきとう)・女神散(にょしんさん)など
虚証〜香蘇散(こうそさん)・加味帰脾湯(かみきひとう)・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)など


自律神経のメカニズム

自律神経とは内臓、血管、リンパ腺などに広く分布している神経で、消化吸収、排泄、内分泌、生殖など、私たちが生命を維持していく上で必要なさまざまな機能を無意識のうちに
調節しています。この自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っており、両者は一対となって、それぞれの臓器や組織の正常な機能をコントロールしています。胃や腸を例にあ
げると、その働きを活発にするのが副交感神経で、抑えるのが交感神経です。
人間の身体は無数の神経が張り巡らされていますが、心臓を動かしたり、汗や分泌物を出すといった無意識の働きを自動調整してくれるのが自律神経です。自律神経は脳の視床下部をセンターとして、心臓の鼓動を速める働きをもつ交感神経と、その働きを抑える副交感神経の切り換えによってホルモンの分泌や代謝機能の調節、感情にかかわる部分などを絶妙にコントロールしています。ところがストレスやホルモンの変化などにより自律神経のバランスが崩れると、イライラ感だけでなく消化器の不調にもつながり、胃炎や便秘、下痢などの症状を誘発することもあります。

【自律神経にやさしい生活習慣】

@睡眠を十分にとり、規則正しい生活習慣を身につける

A栄養のバランスに配慮した食生活を心がける

B適度な運動と、入浴や音楽などで気分転換の時間を持つ

C細かいことにとらわれず、おおらかに自然体で物事を考え
 る(完璧主義を捨てる)

D一人で悩まず、些細な悩みでも家族や友人に話したり、何
 でも相談できる人を持つ

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